日々のこと
2015年6月16日
幸せの循環。
編集の仕事に、人と人を繋ぐ、ということがある。
昨日は、あんこ繋がりだった。
河瀬直美監督の映画「あん」。
日本の美しいもの(桜の風景)と美味しいもの(和菓子)が織りなす映像美。
私たち日本人が、どこかで見た風景や食べたものを通じて、観る者に“生きる意味”を教えてくれる物語だった。
生きとし生けるものを圧倒的な包容力で包んだ河瀬監督の愛、それを俳優の樹木希林さんが体現する。
映画の中で「人は、何にもなれなくていい、見るために、聞くために生まれてきた」という台詞があった。
鑑賞後、両口屋是清さんの銘菓「千なり(どら焼き)」を持って、河瀬監督の元へご挨拶にうかがう。
ストーリーの中では“どら焼き屋さん”の俳優・永瀬正敏さんも一緒に、
幸せそうに「千なり」をほおばる姿をカメラでぱしゃり。
「甘いものと美しいものは、人を幸せにする力がある。」
(トノチカ記)
2015年4月28日
「アブナイおじさんとスマホ」
午後、イラストレーターの田中靖夫先生がご来社されました。
打ち合わせ中に、いつも小さな作品を残されていく先生。
今日のキャンバスは、お茶菓子のお皿。
お皿に残った柏餅の葉と懐紙を使って、あっという間に素敵な作品をつくってくださいました。
タイトルは、「アブナイおじさんとスマホ」。
そんな先生は、
2017年以降にガラケーの生産が中止されるというニュースに憤怒して
ノベンタを後にされたのでした。(マツ記)
2015年4月17日
金沢に行って来ました。
赤レンガの東京駅プラットホーム23番線。北陸新幹線開業から2週間余経てば、
喧噪などどこ吹く風で、好奇心で乗車したグランクラスシートは静寂そのものだった。
窓の風景だけが走り去るという、いつものビジネス乗車とさして変わらないが、
丁寧過ぎるアテンダント嬢の仕草に溜息を洩らす。
過剰な日本人の「おもてなし」は、空気を読めなくなったもうひとつの人種の台頭のようで恐れをなす。
とはいえ、ワイングラスを手にしたときには、ほどよい酔いが心をなごませ、既に私は旅行人と化していた。
「異国の風景は、誰をも詩人にさせる……」といった、お気に入りのフレーズがいつもどおり口について出る。
いくつかのトンネルを抜け、世間様にいくつかのメールを送信した。
車内アナウンスは「富山駅」と告げた。あと30分もすれば終点の金沢駅に到着する。
そこには、師と仰ぐ出島二郎氏と妙にウマが合う松村信子女史がウン十年来、
いつもコーヒーを淹れて待っていてくださる。
どんよりした雲から白い雪がときおり降りてくるなか、コートの襟を立て足早に向かう先はいつもの事務所。
出島さんをどう形容していいか実は難しい。60代までは、飲んだくれの文学少年であり独自の論法をベースに
町おこしや倒産しかけの会社を立て直して評価されてきた。今や死語に近くなった太宰治や檀一雄のような
「無頼派」という言葉が似合う人。病気をしてからは酒量をおさえ……やっぱり70歳になっても無頼派である。
発想がユニークで壮快だ。
要請があっても仕事場を金沢から決して移そうとせず、金沢に根を下ろして活動している。
彼の経済論のなかに老舗が焦点の『新家業塾』というのがある。
欧米の経済理論と一線を画す日本の風土にあった経済論だ。
雑誌編集者の私が、ブランディングを面白いなと感じたのはここ数年来の『新家業塾』との出逢いからだ。
その塾は、滋賀県長浜で老舗の子弟たちを集めて実践されていた。
「継承」が迷走する時代の流れを的確に捉えていて小気味よかった。
学びのひとつに「家訓を書きなさい」があった。
父親には聞いていないが、爺さんが言っていたようなと、
全員がなにがしかの言葉を書き連ねていった。
まるで、漆器の上の埃をひと吹きするような作業だ。
老舗とはいえ、親からの継承ではまったく太刀打ちできない乱世。
自分で位置を決める時代に入っていると彼は言う。
「伝統」「歴史」「文化」の本質を追求し続けてきた出島さんらしい見識だ。
果たして、若者たちのひと吹きの埃が本当の誇りとなっていくのか、
待ち望んでみるのも面白きことと目を見開いて見ている。
(ジャンコ記/東京世田谷中央ロータリークラブ 週報vol,753寄稿)
2014年12月28日
今年もありがとうございました。
早いもので、今年も残すところあと僅かです。
周りのみなさまのおかげで、今年もノベンタは元気に働くことができました。
ありがとうございます!
先日、社内忘年会を終え、今年度の反省と来年度の目標をしっかりと掲げて
仕事納めを迎えました。
来年もスタッフ一同、より一層精進して参りますので
引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
来年は朝のスムージーを復活させるぞ!
イイ仕事のためには健康第一っ
※写真はイメージです。
トノチカ記
2014年9月17日
今日のおひるごはん
先日、山口のあんちゃんから、盛りだくさんの野菜が届きました。
枝豆、ピーマン、オクラにカボチャ。
茄子に椎茸、キュウリに金糸瓜。
今日のおひるは、これらを使って
ノベンタの料理長・トノチカがカボチャの冷製スープを、
弟子・ハッシーがキュウリと金糸瓜のサラダを作ってくれました。
初めて金糸瓜を見たハッシー(25歳になった)は、
その調理法を調べるところからスタート。
ゆがくとその名の通り、金糸のようになる姿に感動していました。
あんちゃんの野菜は、私たちの好奇心を満たしてくれます。
もちろん、おなかも心もまんぷくに。
ちょうど「スローフード」の資料を読んでいた私。
生産者の顔が見えることのありがたさを
噛みしめながらのおひるごはんとなりました。
あんちゃん、とっても美味しかったです。
ごちそうさまでした!(マツ記)